2009年10月1日木曜日

校正

 校正なんて、何年ぶりにやっているのだろうか。校正記号もすっかり忘れていたが、記憶が少しずつ蘇ってくる。普段、紙に打ち出されたゲラを読むという習慣すらなくなっていたので、まったく新鮮である。そして、改めて紙の良さというのを痛感する。ディスプレイに向かっているのと、頭の使い方が違うというか、思考が拡がっていくのが分かる。自分が書いたものを推敲する精度が違うように思える。逆にいうと紙を媒介せずに、ディスプレイだけでインプットもアウトプットも為されると、何というか雑だし、見失ってしまうものもあるだろう。電子ブックリーダーは、本を開いて読む圧倒的な物質感とは違うリアリティを提供するのだろうか。
 そんなわけで、校正をやっていたら単に文字の直しじゃなくて、いろいろ考え直す必要もでてきたりして、結果的にもたもたと時間がかかり、依頼されていたライナーを落としてしまう。というか、正確にはコイツに頼んでももう駄目だと判断されて他のライターさんに振られてしまったようだ。まったくもって非はこちらにあり、弁解の余地もないのだが、電話口でのやりとりについ感情的にもなり余計に厭わしい気分になり落ち込む。他にも心配事を抱え、机の上はぐちゃぐちゃだし、打合せはすっぱらかしそうになるし、何故ここまで追い込まれているのか自分でもよく分からなくなっているが、中原くんが突然送りつけてきたInto Infinity用の絵を見て心底気が抜け、ジムから来た辿々しくも正しくあろうとする日本語のメールを読み筋肉が弛む。

『The Visitor』はほんとうに素晴らしいアルバムで、こればかり聴いている。

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